タクシン元首相の妹のインラク前首相が職務怠慢などに問われた裁判で、タイ最高裁判所での判決当日の25日、前首相は病気を理由に最高裁に出廷しなかった。これを受け、最高裁は前首相の逮捕状を発行した。

 タイ字紙カオソッドとデーリーニュースは、前首相が24日にカンボジア経由で空路シンガポール入りし、タクシン元首相と合流したと報じている。前首相は反タクシン派軍事政権の厳重な監視下にあり、出国を禁じられていた。しかし、裁判で実刑判決が下れば、タクシン派と反タクシン派の対立が深まる恐れがあり、軍政が逃亡を黙認した可能性がある。

 前首相はインラク政権(2011―2014年)が導入した事実上のコメ買い取り制度「コメ担保融資制度」をめぐり、汚職と巨額の損失を放置したとして、職務怠慢などの罪に問われていた。裁判は政治職在任者の汚職などを裁く一審制の特別法廷、最高裁政治職在任者刑事犯罪部門で行われ、前首相は実刑判決を受けた場合、即収監される可能性があった。

 前首相はまた、コメ担保融資制度で国が被った損害の一部として、昨年9月、軍政から357億バーツの損害賠償の支払いを命じられ、今年7月、タイ財務省が前首相の銀行預金など資産の差し押さえを開始していた。

 最高裁政治職在任者刑事犯罪部門では25日、コメ担保融資制度でタイ政府が農家から買い取ったコメの一部を政府間取引で中国に輸出したと偽りタイ国内で転売したとして、インラク政権のブンソン元商務相ら28の個人、法人が汚職などに問われた裁判の判決も下る。ブンソン元商務相は最高裁に出廷した。